古来から、8月9日に観音様にお参りすると九万九千日の功徳があり、幸せをもたらすといわれている。
8月9日、吉祥寺にて「九万九千日参り」が行われた。
灯明料を供えたらろうそくをいただき、願いごとを書いて観音様の火をいただく。
ろうそくを竹灯籠に献灯したら、火が消えないうちに般若心経を唱える。
夕刻の、緑に囲まれたお堂でろうそくの灯りの中の読経はなぜか心が落ち着く。
読経が終わったら明日葉DOJOへ移動しお手製のお斎(とき)をいただく。本堂の改修も手掛けた米国人建築士ジェフリー氏の設計による道場は和と洋が融合された格別な空間。新しい空間の中に並べられた歴史ある調度品が、計算されたかのように「新」と「旧」をつないでひとつの空間を作り上げている。
終わったところで吉祥寺の留守をお守りされている羽場さんに今日のお参りについて聞いてみた。
「九万九千日を365日でわると約270年分になるんです。1代の功徳では終わらないので、つまり他人のために参るということなのかと。」
「かつては経済的に恵まれない女性たちが朝までお参りの列を作ったと伝え聞いております。家に帰りたくても帰れない、つらいお勤めをしなくてはいけなかった方たちの心の拠り所だったのではないかと。200年前の女性たちと同じ場所で同じ仏様にお参りをしていると思うと感慨深いものがありますね。」
※本堂は築200年。平成の大修復を終え、今も建立当時の姿を残す。
本堂中央は阿弥陀如来、向かって左に三十三観音が祀られている。しかし御本尊は本堂の外のお堂のなかの不動明王である。
往年から続く信仰の片鱗が今でも残る貴重な寺院。
場所など詳細は下記。
http://www.kissyouji.jp/rekishi.html
なお、寺院行事のほか、偶数月第1日曜日の「津島でら寺巡り」には門戸を開いていただいている。
是非お参りに訪れていただきたい。
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