平成30年1月28日、牛玉山 観音寺において護摩祈祷が執り行われた。
この日は、平成30年の初不動。観音寺の御本尊は、不動明王である。
初七日、亡くなって最初に出会うのが不動明王だそうで、我々はお不動様のお力をお借りして順に彼岸に行くと言われている。
「皆さん、お不動様というのは取っつきにくいかもしれませんけど、一旦心が分かると、優しく温かい仏様です。そこまで行くのには時間が掛かるかもしれませんが、皆さんが悩まれると必ず幸せを授けてくれると信じてお参りをさせてもらっています」
住職は、そう法話された。
「今年は戌年です。“戌”という字は、犬という意味以上に、“滅”という意味があるそうです。滅するというのは、新しいものを生みだすという意味らしいです。滅して、そのまま終わりではないんですね。続きがあり、そこから新しいものが吹きだしてくる。犬が多産だということもありますが、そもそも戌の字はそんな意味があるそうです。戌年の今年は、色んな意味で、色んな良いことが生まれるよう、我々は一所懸命お祈りをして、皆さんが平和に暮らしていけるようにお願いをさせていただきます」
護摩木に記された名前と願いごとが全て読みあげられ、焚き上げが始まった。
住職、副住職、そして祈願者一同に不動経を唱え、「のうまく さまんだ……」とご真言が響き渡る。
護摩の火で温かくなりつつある気温に反比例し、本堂の空気は次第に澄み渡るようであった。
護摩祈祷の“護摩”はサンスクリット語のhoma(ホーマ)を語源としているそうで、元々は「焼く」「焚く」の意だとか。
真言宗の法具・五鈷杵によるお加持が行われた後、副住職の太鼓の音が空気を震わせ、経文が始まる。真言宗智山派の作法に法り住職は印を結び、法具を振い、念珠を操る。
牛玉山 観音寺、元は見越村(現 愛西市佐織町)にあり三輿山 廻向院 観音坊といわれていた。真言宗の真髄は現世利益、すなわち自身の心願が叶ってこそ供養も適うという教義である。観音寺の境内には、商売繁盛の三吉稲荷も併設されている。
水子地蔵
信者から毛糸の帽子が毎年寄進される。
十二支御本尊礼拝殿
干支の守り本尊の前には大念珠が下がる。
御影朱印で有名な長谷川副住職による仏画
平成二十九年 酉年の守り本尊 不動明王から、平成三十年 戌年の守り本尊 阿弥陀如来へ。
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